藤子不二雄A先生の自伝『まんが道』。今また読み返したくなり、時代背景をネットで調べながら読んでいたのですが、どうせならばブログにまとめながら読んでみようと思いました。
以降、『中公文庫コミック版・まんが道』をテキストにその時代背景や地理について記してゆきますーー。
中公文庫コミック版『まんが道』第01巻
作者は、藤子不二雄A先生。本名、安孫子素雄。昭和9年3月20日生まれ。
本作品は、週刊少年チャンピオンに昭和45年から連載されました。
昭和20年夏 戦争中疎開先から
昭和20年夏、富山県下新川郡の細野村(あとがきでは”山崎村”)に満賀道雄は居た。当時、満賀道雄は村のいじめっこに「のらくろ」メンコを描いてあげていた。(P.12)
地図:富山県下新川郡
まんが『のらくろ』
まんが『のらくろ』は、田河水泡(たがわすいほう・1899年~1989年没)が描いた野良犬が主人公の漫画。
『少年倶楽部(現:講談社)』より、1931年~1941年まで連載された。打ち切りになった理由は当時内務省の「この戦時中に漫画などというふざけたものは掲載を許さん」というクレームが入ったため。
満賀道雄が好きだった他の漫画には『冒険ダン吉』『正ちゃん』『団子串助』などがある。
北陸にも姿を見せた「B29爆撃機」
『B29爆撃機』は、アメリカ軍の大型爆撃機。ボーイング社が製造した。第二次世界大戦末期、日本に総量147,000トンの爆弾を絨毯爆撃により投下したとされる。
満賀道雄の住む北陸にも姿を見せたという。
広島に原子爆弾を落としたのもB29爆撃機『エノラ・ゲイ』。(P.15)
終戦「玉音放送」
昭和20年8月15日、満賀道雄は細野村の公民館で天皇陛下の「玉音放送」を聞いた。
昭和20年9月 満賀道雄 高岡市定塚小学校へ
満賀道雄は、疎開先から帰り元住んでいた高岡市へ。定塚小学校の5年3組へ転校した。
小学校で将来の相方、才野茂に出会う。
肝油ドロップ
肝油ドロップとは、ビタミンAが豊富な肝油を糖衣で包んだもの。学校では当時一日一粒配給されていた。
甘いものが貴重だった為、これを食べずに集め児童の間で”貨幣”のように大切にされていた。
反射幻燈機
才野茂が徹夜で作った、反射幻灯機。満賀道雄は、真っ暗な部屋で投影するとまるで夢のようだったという。以下のページは、漫画を見て幻燈機を再現した方のサイト。
以下は現代の幻燈機、スライドプロジェクター。
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曲垣平九郎
満賀道雄が「幻燈機まんが」で題材にしたのは、曲垣平九郎だった。(P.48)
芳年「東錦浮世稿談」より”曲木平九郎”